新緑の季節となり汗ばむ日も多くなってきたこの頃、例年通り連休前ごろから『そちらで指輪を切ってもらうことは可能ですか？』というお電話や問い合わせが何本か入ってまいりました

寒暖の差や体調などによって身体は浮腫むことがあるため、指のサイズも日常さまざまな要因にて上下動していることが一般的で、季節の変わり目であるこの時期には指輪が抜けない！と言うご連絡が多くなります＊尚、当店ではＪＪＡ日本ジュエリー協会通達（2019/03/08）に準じ、店頭での抜けない指輪切断は対応しておりませんので予めご承知おきください

また皆さんそれぞれ手指には特徴があり、第二関節が大きめの方は指輪サイズがその関節に応じるため指根元では多少の緩みが生まれ「遊び」がありますが、指形状がストレート系や裾広がり形の方は指輪サイズがぴったりとされているケースが多い為、指サイズの上下動にはより普段より抜けやすくなったり、逆に抜けなくなったりが比較的によく発生します

今回ご紹介しますお客様は、別件の真珠ネックレスのメンテナンス依頼先を探しているうちに横浜YAMATOを初めて知り、まずはご予約来店いただきました

持参された真珠ネックレスの状況を確認お伝えしたのち、必要と思われるメンテナンス作業をご提案して、まずは本来の目的である真珠メンテナンス依頼を承りました

そのやりとりのお話し中にご結婚指輪がずっとしまったままになっていることをお聞きし、結婚当初に比べたら左薬指サイズが変動して、いまでは第二関節を通らないと伺ったため、次回真珠ネックレスのメンテナンスが出来上がり、お受け取りの際によろしければ指輪現物をご持参ください…とお伝えいたしました

後日受け取り来店の際、お客様がご持参されたP t プラチナ結婚指輪がこちらでした…

結婚当初からずっとお着けになったままで外したことがなかったとのことで、指輪内側にはサイズを表す7という打刻が入っていました

お子様を二人ご出産したのちに段々と指輪がきつく感じる頻度が増え、万が一抜けなくなってしまったら大変と思って指輪を外すようになり、それから数十年が経過してしまったとのことでした

物理的にはサイズを大きくすることは可能なので、まずはP t プラチナ素材を足して指輪の内径を大きくするサイズ直し作業見積もりをお伝えしました

またオプションではありますが、サイズ直しと同時にメレダイヤモンドを加える作業も可能であり、大切な思い出のP t プラチナ結婚指輪をバージョンアップすることもできる旨お伝えいたしました

お客様が一旦は逡巡されましたが、つい最近心優しいご子息から「お小遣い」をいただいたそうで、そのお小遣いでダイヤモンドを入れることを決められました

サイズを大きくしたのちに、メレダイヤモンドを一列に並べて石留め、ご結婚当時に刻んだ記念の内側文字は消さないように細心の注意を払い作業を終了いたしました

再び受け取りにご来店いただき、リメイクしたP t プラチナ結婚指輪を数十年ぶりに左手薬指にお着けになられました

おふたりのお子さまも自立され、気がつけばご主人様と2人での生活に戻り、再び奥様の左手にはご主人から贈られた指輪に、ご子息からのカタチを変えたダイヤモンドが輝く新たな姿の指輪が光っておりました

こちらの記事をお読みの皆さまのなかでこのごろ指輪がきつい、指輪が指に食い込んでいるように見える…など気が付かれましたら早めの対応をお勧めしております

また指輪が抜けなくなってお困りの方は近くの消防署へまずはご相談ください、当店では切断後のK18やP t プラチナなどの指輪修復のご相談を承ります

参考までに下段指輪画像のように消防署などでの綺麗な切断面と違い、上段の押し潰して切断した場合の指輪はより修復に費用がかかる為、緊急時以外には極力消防署へのご相談をお勧めいたします

最後に近年アクセサリー素材指輪でのご相談が増えておりまして、なかには消防署でさえも切断画出来ない指輪と断られる事例もございますので、指輪装着の際には指輪素材の特性なども合わせてご確認をお勧めいたします