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鮭と酒、越後の城下町村上へ行って参りました…新潟デスティネーションキャンペーン

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                                                   ▲一面見渡す限りの田んぼが続く米どころ新潟の風景…
34歳までダイヤモンド輸入卸商社に長年勤務していた為、当時は営業マンとして日々出張に明け暮れ、特に東三河・名古屋をはじめとする東海三県から北陸・関西、飛んでは小倉・博多中心に九州までと全国の百貨店様や宝石専門店様を飛び回ってお邪魔していましたが、このところは元旦かどまつ以外に休業日のない小売り業の身で、地元横浜を離れる機会がめっきり少なくなってしまいました。
そんな中で横浜駅東口地下街ポルタやそごう横浜店の入居しておりますビルの運営管理をしている横浜新都市ビル会社のテナント会で、全国各地の話題の店や特色のあるエリアに視察研修に行く、年に一度の一泊旅行がこのところの私の唯一の本当に旅行らしい旅行になっております。
一年は早いもので昨秋の視察旅行では、都会から食事の為にわざわざ山形まで行くお客様で予約いっぱいと言われる話題のイタリアンレストラン「アルケッチャーノ」に赴いて、山形の地産地消のイタリアンを食しディナー、帰店後にそのことを知った当店顧客の方々からアルケッチャーノの感想について質問攻めにあったことが昨日のことのように思い出されます。
そして本年はこのたび新潟県の村上市へ、町屋文化を紹介することを地元の方々有志が自らの手で行っている地域お越しの実情を視察しに行って参りました。

▲武家社会から成り立つ城下町の村上だからこそ、首側から吊らさず、切腹させないように腹の一部を残すさばき方が村上流。鮭に水分が含まれていないため、蠅も卵を産みつけても成長できない事を知っていて、1000匹近くも吊るされているにもかかわらず蠅がよりつかないとのこと…
なかでも元々は江戸時代に造り酒屋で始まり、その後に鮭を取り扱うようになられ、現在地域お越しのリーダー的なお立場であられる吉川様にお話を伺う機会を得ました。
なんとなく横浜をはじめ都会に生活する私たちは、都会が進んでいて地方は遅れている(=田舎)ような錯覚にとらわれてしまいますが、吉川さんが「日本の文化とは、花が咲いた後の形態一つとっても、牡丹は落ちる、桜は散るというように、季節や花の種類によって、こぼれる、崩れる…など、いくつもの同じ様を表す言葉が存在し、村上の鮭の歴史もこの村上ならではの風、風味・風情を大切に継承している…」ということをお聞かせいただき唸りました。

  ▲お話を伺った吉川(キッカワ)さん。桶ひとつさえも片付ける際には、歪まないよう長持ちさせるために底板の目が縦になるように必ず置く事が職人魂の伝承と伺いました。(木の目横置きだと年輪の輪の間は縮むので桶の重さでより歪みやすい・・・)
サーモンで有名なカナダなど他国の地域では総じて紅鮭のみを食しているのに(カナダで白鮭は犬の餌らしいです)、他方村上の鮭は白鮭に粗塩を手作業で擦り込み、日本海から入り込む北西の村上の風によってさらすことにより旨味成分のアミノ酸発酵を引き出し、塩引き鮭と呼ばれるいにしえの高度な加工技術により頭からしっぽの先まで内蔵を含め捨てるところなく全てを生かし、人間の身体を培う大切な魚として「村上にとって鮭以外の魚は雑魚扱いで、魚へんに生かすと書いてもサケと読むが如く鮭こそが魚の中の魚魚です」と力強くお話しされておりました。
村上は町屋造りの風情が残る大変趣のある城下町で、この風情ある町並みを皆さんに知っていただくために、村上を訪ねてもらえるような仕組みとして各家の先祖伝来のお雛さま人形を披露したら…という話になり、それがいまでは全国区のイベントとして知られる「人形さま巡り」となって、村上市内の商店や民家約70軒が町屋と呼ばれる通り土間(家の中を裏口奥まで続く土の通路)が通じる各家の実際の生活空間おうちを開放披露し一般公開するようになられたそうです。

▲客人を招き上げる主人の間は縁のある畳で、家人の使う部屋は縁がない畳としっかり区別されている。
町の観光ガイドさん曰く、お雛さまはその家に嫁いだお婆ちゃんが嫁入りの際に持って来たものが多かったりするので、雛人形巡りをする観光客が増えるにつれ、もっぱらお婆ちゃんたちが語り部として昔話を説明する役となっているうちに、見る見るお婆ちゃん達が元気で生き生きとしだしたともいわれておりました。
その後、お雛さまだと時季が限られるため、各家に必ずと言って良いぐらいに存在し眠っていた土間からの目隠し用の屏風に光をあて、もうひとつの村上の名物として披露をしようと「屏風まつり」を企画され、今度は全国から書や絵画に詳しい方々読書が屏風を見に訪れ、持ち主でさえ知らなかった専門的な批評を教えてもらうこともあるそうです。
実際に生活している空間を他人に自由に出入りさせ披露させることは恐らく地域の皆さんも全員が最初から賛成ではなかったと推測されますが、そんな中で今回もお茶屋さん、お酒屋さん、和菓子屋さんなどのいくつかの商店でお宅拝見ツアーをさせていただき、地域を活性化させようとする気構えと行動力を強く感じました。

  ▲村上の風情に感心しきりの私は拝借したトイレの前の蜘蛛の巣を見ても、こんな立派な蜘蛛の巣見たことないと唸ってしまいました。
また町屋巡りでお邪魔したお茶屋さんでは、村上は意外にもお茶の産地でもあり、日本最北の栽培地なので日照時間壁掛時計が短い為タンニン成分が少ない茶葉が特徴とお聞きし、ほとんどが地元で消費されてしまうので県外に出荷することが少なく全国的には無名なんですが・・・という大変まろやかな美味しい煎茶を頂戴して参りました。
このお茶の文化も村上の特徴で、お茶を立てる・入れる・出す…とそれぞれに意味をなし、村上ではご亭主にお抹茶を立てていただけることが最高のおもてなしで、奥様方は煎茶を入れる、番茶は出す…という具合に言葉が意味を持って区別されているそうです。


  ▲旅の途中に立ち寄った魚沼市魚野川のやな場では鮭や鯉をはじめ様々な魚が上がっていましたが、「こいつが近頃多いんだよ…」とブラックバスの凄く大きく開く口を見せていただき、その生命力の強そうな姿になるほどと納得致しました。
今回このような村上の文化に触れ、あらためて日本の伝統文化や地域特有の文化に接し、なんとなく私共YAMATOも港町ヨコハマに根付くジュエリーショップとして、日常大切に心しなくてはならない何かがある事を再認識をし強く感じて参りました。
毎日毎日が同じ繰り返しの日常の中で、少しずつでも進歩をしていくには旅は勿論のこと、刺激を受けることが出来る書物や人物などとの交流が、いままでにも増して必要と痛感した一泊二日の旅でした…。
最終日帰りの新幹線の駅へ向かう途中に、造り酒屋さんの醸造所と蔵を見学させていただきました。
どちらかといえば日本酒よりはあんみつ派の私も、蔵出しのいろんなお酒の利き酒ができると聞いて、アルコール度数13度から「さむらい」という銘柄の43度まで10種類以上のお酒をお猪口で試させていただきましたが、やはり旨みというか芳醇さというのか、アルコール度数が上がるほどにこんなにも味わいが深く違うということを初めて知りました。
しばらく休憩時間があったので皆さんと写真を撮ったり売店を見たりするうちに、なんだかとてもイイ気持ちになってきて少し酔ったかな?・・・と言うと、お店の方から「利き酒は一周するとおおよそ2合ぐらい飲んでますよ!」といわれ、それを聞いた途端に最後に試飲した42度と43度の威力もあってかバスへ一目散に戻ってそのままぐっすりと眠ったまま帰路に向かいました・・・・

▲左:京都などでもよくみられる「酒玉さかだま(杉玉)」。新潟では「酒林さかはやし」と呼ばれるそうで、新酒の印としては勿論のこと、最初は青々としたこの杉葉の玉が枯れていく具合と新酒の熟成具合がほぼ比例しているとの説明を伺いました。 中央・右・下:今回お寄りした醸造所の「ゆきくら」という銘柄の酒は、冬に降り積もった雪の下に酒を寝かし一年中雪によって夏場でも6度以下に保たれ、可能な限り振動もさせずにじっくりと静かに熟成させているとのことでした・・・

▲去年の冬の雪が現在このシートぐらいの高さまで溶け残っていて、その雪の下にある保管室は現在摂氏2~3度で保たれておりました。

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