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パイロット指輪物語 第4話

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約6分
パイロット指輪物語

パイロット指輪物語 第4話《 叩いてつぶして強くなる 》

傷がつきにくくて変形しにくい、丈夫で長持ちする結婚指輪を作りたい。

その強度へのこだわりは、これまで注目してきた素材だけではなく、製造方法にも込められている。

一般的に、指輪の製造方法には「鍛造(たんぞう)」と「鋳造(ちゅうぞう)」の大きくふたつがある。

「鋳造」は、溶けた金属を型に流し込んで固めて作る方法だ。
この時、小さな気泡がそのまま閉じ込められて固まってしまうことがある。
表面上はきれいに見えても、内部の気泡が強度を弱め、変形などを引き起こす原因のひとつになってしまう。

「鍛造」では、この問題を解決するため、素材に叩くなどして圧力を加える。
すると、気泡がつぶれ、金属組織の密度が高まり、強度や硬度が増す。

鋳造よりさらに手間と時間はかかるが、より丈夫な素材ができるのだ。

パイロットでは、こうして圧力を加えて延した材料を円形に打ち抜いたあと、さらに曲げ起こして成形する加工を行っている。

この過程でも圧力が加わり、いっそう丈夫な指輪ができるのだ。

また、こうして作られた指輪にはつなぎ目が一切ないのもポイントだ。

「切れ目がない」ことは、結婚指輪として縁起が良いと喜ばれている。この「シームレス加工」も、パイロットが業界で初めて取り組んだ技術だと言う。

ヨシムラマリ パイロット指輪物語 第4話

【《seamless シームレス》とは、途切れのない、継ぎ目のない、縫い目のない、などの意味を持つ英単語です。
板状素材をプレスで抜き、曲げ起こし、ロール拡張する指輪製法がシームレス加工、即ち鍛造製法です。日本国内では、パイロットが業界初として取り組みました。】

ヨシムラマリ

ヨシムラマリ

神奈川県横浜市出身。子供の頃、身近な画材であった紙やペンをきっかけに文房具にハマる。現在は会社員として働くかたわら、イラスト制作や執筆を手がける。

著書『文房の解剖図鑑』(エクスナレッジ)

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パイロットが独自開発に成功したUHP999(ウルトラハードプラチナ)硬化純プラチナ素材に加え、製造方法も業界初と言われる新たな取り組みにより、シームレス加工と呼ばれる、つなぎ目のない鍛造(たんぞう)製法、即ち素材+製造方法にて、キズがつきにくく、歪みに強いプラチナ結婚指輪が誕生しました

ちなみに、指輪製造では、鋳造(ちゅうぞう)製法と呼ばれる、溶かした貴金属を型に流し込む作り方が一般的であります

鋳造の利点は、一度に大量の指輪を作るので、コストダウンが図れることと、鍛造製法では作ることが難しい、折れ曲がった形状や、複雑なカタチでも、ある程度は製作可能な点でしょうか

指輪鋳造製作でのリングツリー

〈↑ 一度に大量製作可能な鋳造リングツリー〉

パイロット平塚工場で、鍛造製作にて作られる結婚指輪パイロットブライダルは、まずは強度を増した純度99.9%のUHPプラチナ素材を、何度も圧力をかけて延ばすことにより、素材内部の空気が含まれている巣(ス)と呼ばれる気泡などの内部欠陥を、圧着することで潰して、貴金属組織の密度を上げる作業を行なっています

この圧延は冷間圧延と熱間圧延を行うことで、約1/5の厚さまでプラチナ素材を緻密にさせます

これらの鋳造(ちゅうぞう)キャスト製法に比べて、より手間と時間をかけて組織を緻密にする鍛造(たんぞう)製法を行うことで、指輪製作の加工工程においても、さらに指輪の強度と硬度が増していきます

このパイロットが誇る、オリジナル・硬化プラチナ素材と、鍛造製法の組み合わせにより、変形がしにくい・キズがつきにくい・石外れがしにくい、というメリットがあり、さらにはずっしりとした重みを感じる高級感が高いプラチナ結婚指輪が生まれています

↑ 圧延されたプラチナ板素材を、プレス機械にて指輪作りの元となるドーナツ状に打ち抜きます

この打ち抜かれたドーナツ状素材を、徐々に曲げ起こしながら、指輪のベースに形作ります

↑ 更にロール拡張をしながら、規程サイズのベースに近づけていきます

出来上がったUHPウルトラ・ハード・プラチナの純度99.9%の鍛造結婚指輪は、純度が高いほど柔らかいという貴金属の常識を覆し、ペンチテストと呼んでいる強度比較検査で、同じ荷重(30kgf)をかけると、一般的なハードプラチナPt999での指輪と、上記の鍛造製法で出来上がったUHP999素材のパイロットブライダル指輪とでは、変形しにくさで違いがでます

※試験指輪は、指輪厚1.5ミリ・指輪サイズ12番の条件下

また、キズつきにくさを比較確認するテストもしております

プラチナ指輪キズつきにくさテスト

真鍮ワイヤーブラシで、UHP999パイロットブライダル 指輪と、一般的なハードプラチナPt999指輪を、50回ブラッシングして実際に擦ってみた結果が下記の画像です

パイロットブライダル指輪は、引っかきキズ硬度とも呼ばれる、ビッカース硬度計(押し込み硬さ検査)にて、Hv200(Hardness Vickers)値を記録し、耐摩耗性をより高めた、キズがつきにくい指輪となっています

ビッカース硬度計

〈*ビッカース硬度計〉

硬さは長さや重さなどと違い、単純には数値では表せない難しさがあります。

そのために硬さを比較する、いくつかの指標があり、検査する物質に、一定の力でダイヤモンドの先端を押し込み、その圧痕のサイズを数値化して、引っ掻きキズなどに対する摩耗性を表します

ちなみに、ダイヤモンド10、エメラルド9などの、宝石の硬さを表すモース硬度とは違う硬さの記号です

硬さについては、改めて詳しく後述する予定ですが、硬くなればなるほどに、脆さを兼ね備えることもあり、適度な粘り(靱性)があることで耐久性が増す場合があります

ビッカース硬度比較表

結婚指輪はジュエリーのなかでも、生涯にわたっての長い期間、毎日着用する品だからこそ、パイロットではあらゆる現実的な場面を想定しての検査を行なっています

品質保証の為には、すべてを自社内一貫生産にこだわるパイロットブランドは、どんなに優れた素材や加工技術があっても、造るのは『人(ヒト)』という理念の基、貴金属を溶かすところから、最終出荷検品まで全工程を自社で手掛けるこを最優先し、すべてに責任をもってものづくりに携わることこそが、信頼の証と考えています

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